店長日記

麹菌

2013年07月23日

 毎日、毎日、暑い日が続いていますが、この暑い日もお盆を過ぎると涼しい風に変わり、早い蔵では、焼酎の仕込が始まります。

さて、焼酎の麹菌というと、白麹菌、黒麹菌が有名ですが、実は明治の頃は、黄麹菌で焼酎を造っていました。では、どういう経緯があったのでしょうか。
焼酎の麹菌といえば、河内源一郎商店をすぐに思い浮かべます。酒の鑑定官として鹿児島へ赴任した河内源一郎氏は、暑い時、醪の腐敗が起こることを知ります。これは、寒いところで仕込む清酒と同じ気麹菌で暑い鹿児島の焼酎を仕込むことが原因ではと考えた河内氏は、鹿児島より暑い沖縄の泡盛が腐敗しないことに気づき、沖縄から泡盛の黒麹菌を持ち帰り、焼酎造りに適した「黒麹菌」の培養に成功します。(学名 アスペルギルス・アワモリ)
その後、泡盛黒麹菌の突然変異によって生じた白麹菌を発見。(学名 アスペルギルス・カワチ)やがて全国に広がります。ちなみに韓国のマッコリも河内菌を使用しています。
焼酎の麹菌は黄麹菌→黒麹菌→白麹菌という流れです。

話は変わり、23.日付けの朝刊で、河内源一郎商店の代表取締役、山元正明氏が亡くなられたことを知りました。娘婿に当たる山元先生は、新たな黒麹菌「NK菌」や河内式自動製麹装置を開発し、焼酎業界の発展に貢献された方です。偉大な先生でしたが、とても気さくな方でした。心からご冥福をお祈り申し上げます。そして先人の方々の努力のお蔭でおいしい焼酎があることを決して忘れてはいけないとしみじみ思ったことでした。

ホーム | ショッピングカート 特定商取引法表示 | ご利用案内
Powered by おちゃのこネット